
相場振り返り
クリプトカレンシーアナリストの田中です。
3月は、当社取扱暗号資産の中ではリンクの価格上昇が顕著な月となりました。下図の通り年初来騰落率で言えば取扱暗号資産内では圧倒的で、4月頭に大きく下落したもののそれでも4/6時点で1,500%弱となっています。
前回のブログでも触れましたが、依然として他の暗号資産とは異なる独自の値動きを形成しています。
図1: 2021/1/1を100%として当社取扱暗号資産の変化率をプロット(2021/1/1~2021/4/6)
リンク以外にフォーカスして3月の値動きを見てみますと、図2の通りBTC/JPY、ETH/JPY、BCH/JPY、LTC/JPYでは月の半ばまでは上昇基調、その後反転して下落しましたが、3月後半には反発し、暗号資産によっては全値戻しに近い状態となって月末を迎えました。
XRP/JPYの動きに関しても前回のブログで触れました様に他の暗号資産と相関しない状態が継続しており、3月~4月頭においても同様に独自の値動きとなっています。 4/5、4/6では暴騰しています。リップルは、昨年末に米証券取引委員会(SEC)がXRPの販売に対し未登録有価証券の販売に当たるとの見解で提訴していることで値動きが不安定となっています。依然として同裁判がらみのニュースで価格が乱高下しやすい状態となっているように見受けられます。
図2: 2021/3/1を100%としてLN以外の当社取扱暗号資産の変化率をプロット(2021/3/1~2021/4/6)
BTC/JPYに関しましては、高値圏でのもみ合いが続いており方向感が見えにくい状態ですので、ポジションを建てるタイミングがつかめないという方も多いかと思います。
今回は、BTC/JPYにフォーカスし、各日の同一分毎に価格変動傾向がないかを確認してみました。エントリータイミングの参考情報にでもなれば幸いです。
1分間の価格変動傾向
各日にちの同一のタイミング(例えば各日付の9:00〜9:01)で、価格変動に特徴があるかを見てみました。
方法としては下図の通り、各日付の1分毎の価格変動(高値安値の差)を集め、同一のタイミングのデータより中央値を取ってプロットをすることで傾向を見てみました。(図3,図4)

特徴① 日本時間9:00から4時間毎の正時近辺に大きく価格が動く
図3: 1〜3月における1分毎の値幅(高値・安値の価格差)を算出し、期間の日数の同一分のデータを集めその中央値をプロットしたもの。 赤点は正時(各時間ぴったりとなる分)、緑点はそれ以外の分を表しています。 (データ:2021/1/1~2021/3/31 BTC/JPYの当社Midレートを使用)
図3より、正時、特に四角で囲った9:00から4時間毎の正時に大きく動く傾向があると言えそうです。
四角で囲った時間は、協定世界時(UTC)基準で4時間足の変わり目であると同時に、海外の暗号資産取引所において無限月先物取引の資金調達が発生するタイミングとなっていること等から活発に取引が行われるのではないかと考えます。
図3の緑枠部分、日本時間9:00は特に動きが大きいですが、このタイミングはUTC 0:00であり、世界的に日足の変わり目となることが、活発な価格変動の一因かと思います。
また、上図の赤枠部分、日本時間午前1時も価格が大きく動いていますが、この時間は世界最大の先物取引所であるシカゴ・マーカンタイルエクスチェンジ(CME)で上場しているBTC先物の清算が行われるタイミングと被るため、少なからずその影響もあるように思います。
特徴② 7:00は価格変動が落ち着き、21:00過ぎには活発となる傾向がある
図4: 図3と同様、期間における1分毎の値幅(高値・安値の価格差)を算出し、期間の日数の同一分のデータを集めその中央値をプロットしたもの。
青い線は平滑化ライン。
(データ:2021/1/1~2021/3/31 BTC/JPYの当社Midレートを使用)
図4の平滑化ラインを見ると、朝7:00を中心に、6:00~8:00頃に価格変動が少なくなることがわかります。 この時間は、CMEで上場しているBTC先物の取引休止時間と重なっていることが価格変動が落ち着く一因かと思います。
逆に、21:00~翌2:00頃までの深夜には値動きが活発な状態が続く傾向がありそうです。 米国市場のコアタイムとなる時間ですので、その影響があるのかもしれません。
特徴③正時は価格上昇となることが多い
図5: 期間における1分毎の値動き(終値-始値)を算出し、各時間の正時とそれ以外の各分のデータを集め、密度曲線をプロットしたもの。
(データ:2021/1/1~2021/3/31 BTC/JPYの当社Midレートを使用)
図5を見ると、正時の曲線は分布の幅が広く、価格変動が大きくなる傾向があります。
また、正時以外の時間の最頻値は0近辺にあるのに対して、正時の最頻値はプラスに寄っており、プラスとなる部分の面積がマイナスとなる部分より広いことから、正時は価格が上昇する傾向がありそうです。
まとめ
日々のデータをまとめて見ると、思いのほかはっきりした傾向として時間毎の相場動向が見えました。
今回はBTC/JPYを中心にご紹介しましたが、他の暗号資産でも概ね類似した特徴がありそうです。 上記3点、取引の際、頭の片隅にでも入れておいていただけると役立つ時があるかもしれません。
※当記事は2021年4月7日時点の情報に基づいて執筆されたものです。
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