
2021年5月相場振り返り
※当記事は2021年6月10日時点の情報に基づいて執筆されたものです。
クリプトカレンシーアナリストの田中です。
5月の暗号資産市場は波乱の1ヶ月となりました。
5月上旬、イーサリアム等のアルトコインで史上最高値を更新し、破竹の勢いで価格が上昇しました。
背景には欧州投資銀行(EIB)のデジタル債券がイーサリアムブロックチェーン上で発行されたこと、デリバティブ市場でのイーサリアム取扱高が活況となり最高額となったことなどがあるようです。
しかし、5月中旬以降は一転、暗号資産全般で軟調な推移となりました。
皮切りとなったのは5月13日の米テスラ社のCEO、イーロン・マスク氏の発言。
マイニング時の大量電力消費を理由に、テスラ社のビットコイン決済を停止するとの情報から、5月上旬に600万円台で推移していたBTCJPYは500万円台前半まで大きく下落。
さらに5月18日に中国の金融業界団体が金融機関による暗号資産関連サービスの提供を禁止するとの声明を発表すると、軟調に推移していたBTCJPYは一段安となり、5月19日に一時300万円台前半まで値を落とす展開となりました。
アルトコインの価格も下落し、ビットコインキャッシュ、ライトコインなどは日次で50%以上価格が落ちる局面もありました。
下落後、ある程度戻しがあったものの、5月後半から6月前半にかけては動意薄な状態が継続しています。
図1: 2021/5/1を100%として当社取扱暗号資産の変化率をプロット(2021/5/1~2021/6/10)
価格変動の法則性は?
暗号資産価格は、状況により変動が大きい日が続くこともある一方、方向感が乏しいときは価格変動も緩慢になります。 変化がなく方向感が見えにくいと、取引をしてもなかなか収益につながらないため手を出しにくいケースもあるかと思います。
今回は、価格変動に周期等あるのか、独自の観点で調べてみましたので次の一手の参考にしていただければと思います。
使用するのは直近約1年のBTCJPYレート。日次の終値から変化率を算出してみました(下図青線)。
この青線だけ見ても、日次の変化が激しすぎて大変見づらいように思います。
そこで、1週間程度のスパンで傾向を掴むために直近7日の平均値を描画した移動平均線を引いてみます(下図赤線)。
図2: BTCJPYの日次対数変化率(青線 %表記)と7日移動平均線(赤線)
移動平均線は上下しながらも、右肩上がりの推移。 つまり、直近1年では価格変動率は上向いているということが言えそうです。
さらに、下図では上で引いた7日移動平均線(下図赤線)とその回帰直線(下図緑線)を引いています。 回帰直線を上抜いている期間を価格変動が多い周期と考えたとき、その周期の間隔(下図紫矢印で例示)がどの程度の期間かを調べることで、価格変動が少ない期間の長さを推測してみました。
図3: BTCJPYの日次対数変化率7日移動平均線(赤線)と回帰直線(緑線)
結果、BTCJPYにおける価格変動が少ない期間の推測値は概ね5日〜12日程度、そして直近日付での価格変動基準(上図オレンジ線)は4.16%です。
このことから、価格変動の多い周期(4.16%以上)は5日〜12日の価格変動が少ない期間を挟んで再度発生しそう、と推測できます。
その他の暗号資産も同様に調べて見たものは下記の通り。
価格変動基準 | 価格変動が少ない期間の推測値 | |
---|---|---|
BTCJPY | 4.16% | 5日〜12日 |
ETHJPY | 5.40% | 4日〜35日 |
BCHJPY | 6.85% | 6日〜17日 |
LTCJPY | 6.15% | 5日〜13日 |
XRPJPY | 8.06% | 4日〜21日 |
LNJPY | 7.96% | 4日〜17日 |
XRPJPYやLNJPYは価格変動基準自体が他の暗号資産より大きく、動意づいた際は変動幅に期待が持てそうです。
方向感が見えにくい時こそ、突発的な動きに備えて、乗り遅れないようにしっかりと準備を進めておくのが良いかもしれません。
※当記事は2021年6月10日時点の情報に基づいて執筆されたものです。
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